ふたたび旅(アフリカ編 たびタビ旅part2)

約2年4ヶ月の旅(http://zensin.jugem.jp/)からはや5年あまり。もう行かないはずだったのに、3回目の長い旅へ…。我が旅人生堂々の3部作完結アフリカ編!!…のはずです。

2008年09月



町の西部にある中華街チョロン地区に行きます。
中華街といっても、日本のような中華料理店がずらっと並ぶといった派手な場所ではなく、ただ中華系の人々が多く暮らす下町って感じの場所です。
市場やお寺を見たりして街を散策します。
活気がありおもしろいです。
人々も笑顔を見せてくれ、フレンドリーです。
これにはちょっと驚き、ちょっと嬉しく思いました。
と言うのも、ベトナムに入国して以来、なんかベトナム人は冷たいなぁと思っていたからです。
物を売ってくる人は、なぜか強気に買えよ~と目を三角に吊り上げて迫ってきます。
こっちがいらいないよ~とわざわざ笑顔で応えても、ふん、なんで買わねぇえんだ、みたいな顔をしてニコリともしません。
なんとも言えない圧迫感があります。
笑顔が気持ちの良いカンボジア、タイとはえらい違いです。
隣の国だというのにこの違いはいったいなんなんでしょう。
それが、ここ中華街では笑顔を返してくれるのです。
あまり観光客を相手にしない人たちだからでしょうか。
とにかくベトナム人もいいじゃないかと少しほっとした一日でした。
しかし、まさか曲がりなりにも中華と呼ばれる地区でそんな思いをするとは‥‥。



ここホーチミンでカンボジアで一緒だったT君と再び合流。
朝食にフランスパンのサンドイッチを食べ、甘いアイスコーヒーを飲みながら、今日どこに行こうか考えます。
僕は昔ここの観光名所はだいたい見ているし、T君もとくに見たい所はないと言うので、市場などを見つつ動物園に向かうことにします。
4、50分ほど歩いて動物園に到着。
5000ドン(約35円)の料金を払い入場します。
月曜日だからか、ほとんど客はおらず静かなもんです。
そんな中を二人で話しながらのんびり歩きます。
小さな動物園ですが、ゾウ、キリン、ライオン、サイ、カバなど主要な動物が飼育されています。
5000ドンという入場料を考えれば、上出来ではないでしょうか。
二人で、可愛いねぇ~、かっこいいねぇ~、なんて言い合い写真を撮ったりします。
歩き疲れたら、サル山の前のベンチに座り一休み。
木陰は気持ち良いです。

動物園を出た後は、カフェに入り、プリンを食べます。
10000ドン(約70円)もして、大きさも小さかったのですが、すっごくクリーミーな味わいで美味しかったです。
それからまた街をぶらぶらと歩き、大聖堂を見たり、郵便局に行ってハガキを書いたり、昼飯にフォー(ベトナム名物の米麺のヌードル)を食べたりします。
そして、宿に戻ろうと歩いていると、カキ氷屋を見つけます。
う~ん、美味そう。
25000ドン(約150円)くらいしますが、思わず注文してしまいます。
僕は甘い豆、アイスクリームがのっかった物を、T君は甘い芋、アイスクリームがのった物をそれぞれ注文します。
冷たくて、甘くて、うっま~い。
お互い交換して味を比べてみますが、どっちもうっま~い。
幸せ。

夜は、ちょっと高級なベトナム式の焼肉の店へ。
肉や海老を注文し、ビールと共に食します。
これまたうっま~い、最高の夕食です。
今日は、動物園に行き、街を歩き、甘い物を食べ、美味しい物を食べ、ビールを飲み、満足の一日となりました。

ところで、T君、君はなんで男なのだ?




ベトナム、ホーチミンに来るは、今回で3回目となります。
1回目は学生時代の14年前。
2回目が7年前。
そして、今回となりほぼ7年ごとに訪れていることになります。
7年前に訪れた時もその変わりように驚いたものですが、今回もまた驚かされました。
ここ数年、ベトナム経済はバブルのようになっているようで、街中では建設中のビルも多く見かけられます。
お洒落な格好をしている人も多く、金持ちの人が増えたなという感じがします。
ショッピングモールのような所を見ても、高級な品がたくさん並んでいます。
物価も上がってきているようで、ガイドブックに載っている2、3年前の値段から1、5倍ほどになっているということも少なくありません。
国がリッチになるといことは良いことですが、旅人である僕にとっては昔のカオス的な熱気が薄れてしまっているようでちょっと寂しい気もします。

そんな風に変わったなぁと思いつつ町を歩いていると、雨がぽつりぽつりと降り始めました。
あわてて店の軒先に避難すると、雨はあっという間に激しさ増し、土砂降りになりました。
道路には水が川のようになって流れていきます。
傘なんて全く意味をなしません。
いや~凄いなぁと、半ばあきれ気味に雨が降るのを眺めます。
そんな雨の中、ベトナム人は雨合羽を羽織いバイクにまたがり走っています。
慣れているとはいえこれまた凄いもんです。

街の様子は変わっても、ベトナム人の逞しさは変わっていないようです。




みんなと別れ一人でプノンペンからベトナムの首都ホーチミンを目指します。
この間は国際バスが走っており、乗り換えなしで6時間で行くことができます。
チケットは、12ドル。
本当は10ドルなんですが、たまたまカンボジアが今、日本でいう「お盆」のような祭日のため、料金が上がっているとのこと。
ついてない。
バスは一日三便あり、それぞれ朝6時45分、8時、9時となります。
早起きはしたくなかったので、のんびりと9時の便で行くことに。
それでも、ホーチミンに着くのは3時と遅くはないですから。

バスは9時前には乗り場に来ますが、なかなか出発しない。
出発したと思っても、市内をぐるぐる回り、お客を拾ったりしている。
そんなこんなで町を出た時には10時になっていました。
まぁ、それでもホーチミンに着くのは4時とそんなには遅くないですから。

バスは順調に走りますが、1時間半ほど走った11時半頃、渋滞につかまります。
やはり祭日のため道路が混雑しているのか。
バスの中で本を読んだりして待ちます。
しかし、なかなか前に進みません。
普通、渋滞といってものろのろと進んで行くものですが、今回は15分くらい全く動かず、やっと動いたと思ったら50mぐらいのろのろと前進するだけ。
いったいどうなっているのだ。
そもそもカンボジアにはそんなに道が混雑する程の車があるのか。
解せません。
それとも、もう国境の近くに来ていて、出国手続きで時間をとられているのか。
う~ん。

そして、時は経ち、いつの間にか日も暮れ、時間は夕方6時。
ホーチミンとうちゃ~く、ベトナムやって来たぞ~、と言いたいところですが、なんとまだ渋滞中。
多分、距離して1kmも進んでいないのではないでしょうか。
いったい何をやってんだか。
ここまで遅れると、もう怒りを通り越し、笑いさえ出てきます。
もうどうにでもなりやがれ、明日の朝にでもなっちまえ~。
ははははは、はぁ。

そして、更に待ち続け、しばらくすると川岸にたどり着きました。
時間は夜8時半。
そこでバスごと渡し舟に乗り込みます。
これだ~、この船に乗るために渋滞が続いていたんだ!
なんてこったい。
せめて船の数を増やすとかして、どうにかならんものなのか。
日本政府、ODAで橋を造ってあげちゃって下さい!!

川を渡るとそれまでが嘘のように快調に走り続けます。
国境まであっという間に到着。
ここの出入国審査はまったく問題なし!!
なんとバスの車掌が車内で乗客のパスポートを回収し、代わりに手続きを行ってくれるのです。
もちろん賄賂やらなんやらのトラブルは全くなし。
タイ、カンボジア国境とえらい違い。
こんな楽しちゃっていいのか。

入国したものの、周りは真っ暗闇で何も見えず、ベトナムにやってきたという実感はわいてきません。
今は、とにかく早くホーチミンに着いてほしいという気持ちでいっぱいです。
そして、夜11時半、やっとホーチミンに到着。
降ろされた場所は、有名な旅行者街であるファングーラオ通り周辺。
ここはまだ店も開いており、明るく賑わっています。
ここを訪れるのも7年ぶりくらいなんですが、店とかがちょっとお洒落にきれいになった気もしますが、見覚えがあります。
14時間かけてとうちゃ~く!!
疲れたぞ~。
でも、とりあえずベトナムだ~!!




カンボジアでは久しぶりに他の旅人と行動を共にしています。
今まで一年以上旅をしてきたMちゃんと、これから2年ぐらい旅をするT君です。
短期旅行者が多いカンボジアで長期旅行者同士として話があうのか、はたまた若い旅行者が多いカンボジアで歳を取っている者同士だからか(あれMちゃんは若かったか?)、のんびりだらだらと楽しく過ごしています。
カンボジアは一週間くらいで抜けようかと考えていたのですが、もうちょっとゆっくりしていきなよ~という悪魔の囁きにより、2週間ほど滞在することになってしまいました。

今日は、3人でビリヤードに出かけます。
道端にある屋外のビリヤード場です。
僕らがプレーしていると、日本人がやっているのが珍しいのか周りにカンボジア人が集まってきます。
ビリヤードが趣味というT君はさすがに上手く、難しい角度の玉をなんなく沈め、観ていたカンボジア人から歓声があがります。
負けじと僕もトライします。
簡単な玉を狙い撃ち。
‥‥はずれ。
周りのカンボジア人からは失笑。
まぁ、ビリヤードは数多くある僕の苦手なものの一つということで、勘弁して下さい。

夕方は、オリンピックスタジアムという場所に行きます。
そこでは毎夕、地元のおばちゃんが集まりエアロビクスをしているのです。
5時過ぎに着くと、いました、いました。
スピーカーから流れる大音量にあわせ、太ったおばちゃんらが体を動かしています。
おお~やってるねぇ。
僕は見るだけのつもりでしたが、踊りの大好きなMちゃんは、すぐに参加して一緒に踊り始めます。
それならばということで、僕とT君も踊ります。
久しぶりの運動、きついですけど、体を動かし汗をかくのは気持ちが良い。
こんなに爽やかな汗をかくのはいつ以来でしょうか。
もっとも軽やかに笑顔で楽しそうに踊るMちゃんと違い、どたばたと苦悶の表情を浮かべ必死に周りの動きについていこうと踊る僕の姿は、爽やかという言葉とは程遠いものでありましたが。
まぁ、踊りもまた、数多くある僕の苦手なものの一つということで、勘弁して下さい。

運動をすれば痩せるというのは物の道理なんですが、悲しいことに今日エアロビクスをやったにもかかわらず、この2週間のカンボジア生活では確実に体重を増やしています。
それも下っ腹がぽこりと出た、いわゆるビールっ腹ってやつです。
何故かカンボジアにはアサヒスーパードライが売っていて、そして、それがまた何故か0、5ドル(約55円)と激安。(本物か?)
こりゃ飲まなきゃ損だとばかり、みんなで毎晩飲む訳です。
さらに部屋にはテレビがあり、なんとNHKが写っちゃたりなんかしていしまいます。
みんなで突っ込みを入れつつ、連ドラ、ニュース、ドキュメンタリーなどの番組を見ていたら、ビールもすすむってもんです。
そして、さらに不幸?が重なるように、何故かカンボジアはプリングルスが1、5ドル(約165円)と安いのです。
そりゃ、食わなきゃ損だとばかりに、食べてしまう訳です。
(因みにプリングルスとはP&Gが販売する世界的に有名なポテトチップスのブランド名です。これは日本を含め世界中のどこにでも売っているのですが、価格はだいたいどこも似たようなもので、2ドル以上はします。よってわずか数ドルで宿に泊まれ、1ドルで腹をいっぱいにすることができる国では、プリングルスはちょ~高級品なのです。だからプリングルスを食べている所を他の旅行者に見られようものなら、おぉ~リッチですねぇ、何か良いことでもありました?などとも声を掛けられる、旅人垂涎の一品なのです。)
そして、このプリングルス、食べ始めたら止まりません。
あっという間になくなります。
しかも、カロリーがかなり高いときた。
こんな風に、ビールを飲んで、お菓子を食ってたら、エアロビクスの消費カロリーなんて焼け石に水ってやつなんですね。
こうしてぷくぷくと太っていく毎日なんです。
でも、美味しいし、楽しいからしょうがない。
とりあえず、ダイエットは明日から~ってことで‥‥。



 プノンペンにはトゥールスレン博物館があります。
ここには7年前にもやはり訪れたのですが、重い、重すぎる博物館です。
1970年代半ば、ポルポトは国の実権を握ると、共産主義の思想の下、都市の無人化、農村への強制移住政策、市場、通過の廃止、労農、政治教育以外の学校教育の廃止、宗教活動の禁止等を行い、大量虐殺を伴う大粛清国民運動を断行したのです。
その時に尋問のため使用されたのが、現在トゥールスレン博物館として残っている元学校の校舎なのです。
農民、技術者、僧侶、教師、学生などさまざまな人がここに集められ拷問を伴う尋問をされ、町郊外にある現在キリングフィールドと呼ばれている村に連れていかれ虐殺されたのです。
ここに収容された2万人の内、生き残ったのはわずか6人と言われています。
この博物館には、尋問として使われた部屋、牢屋などが当時のまま残っている他、拷問の様子を描いた絵などが展示されています。
人間の残虐さをひしひしと感じさせられます。
しかし、それらの展示物より更に僕にとって衝撃的なものがあります。
それは収容された人々の写真です。
ポルポト軍が撮った収容者たちの写真が何千枚も部屋に飾られているのです。
それらはけっして残虐な写真ではなく、証明写真のようにただ上半身が写っているだけです。
みんなカメラをまっすぐ見つめています。
それは、今ここにいる僕を見つめているようにも思えます。
いったい何を考えていたのでしょうか。
老若男女さまざまな人がいます。
どこにでもいる普通の人々です。
そんな人々が殺されたのは、50年、100年という昔の話ではなく、ほんの30年ほど前の話なのです。
と言うことは、カンボジアの30才以上の人たちはみんなそういう時代を生きてきたということなのです。
市場でバナナを売っている人の良さそうなおばちゃんでさえも。
今、いったいどのような思いで生きているのでしょうか。

博物館を出ると、やっぱり深く深く落ち込んでいる自分がいました。
気分を明るく盛り上げようとしても、やっぱり何か心に重しがのっているように沈み込んでしまいます。
心身ともに疲れたので、喫茶店に入り一休みすることにします。
甘ったるくて苦いアイスコーヒーを飲みながら、通りをぼんやり眺めます。
しばらくすると雨が降り始めました。
それはぽつぽつと降り始めたと思うと、あっという間に強く土砂降りになり、まさに滝のようです。
子供は屋根から流れ落ちる雨水をシャワー代わりに浴びています。
バイクに乗った人は、びしょ濡れになっています。
そして、びしょ濡れになった女の子は、もちろん‥‥。
すけてま~す。
う~ん、いいじゃないですか~。

こんなカンボジアの幸せな日々がこの先いつまでも続きますように。


シェムリアップからカンボジアの首都プノンペンに移動です。
ここの区間の道は7年前にも通ったのですが、それは僕が今まで旅してきた中でも3本の指に入ると言ってもいいほどの悪路でした。
その時はミニバンに乗ったのですが、とにかく道路の凸凹がすさまじい。
車内で体が跳ねまくり、もう早く着いてくれ~、早く降ろしてくれ~とほとんど泣きが入ったくらいです。
翌朝、目が覚めると、なんと身体中が筋肉痛になっていたのでした。
しかし、変わっていました。
宿にミニバンが迎えに来て乗り込みます。
そんなに乗客を詰め込んでいなく、ゆったりと座れます。
これでプノンペンに行くのかと思ったのですが、連れて行かれたのはバスターミナル。
そこにはなんと大きなバスが待っているじゃありませんか。
バスはけっこう新しく席もゆったりしています。
う~ん、こんな大型のバスが走るようになったんだ。
そして、道も完璧に舗装されているます。
プノンペンまでの5時間半の道のり、すごく快適に過ごせました。
カンボジア、進歩しているじゃありませんか。

そして、着いたプノンペン。
やはりカンボジア一の都市ということもあり、建物が立ち並び、たくさんの人、車、バイクなどで賑わっています。
観光の町シェムリアップと違って、庶民の活気あるパワーが満ち溢れています。
屋台もたくさんあり、歩いているだけで心躍ります。
7年前よりもその数は増えているように感じます。
そして、ここで一番変わったこと。
それは夜でも外を歩くことができるということ。
前は、夜8時を過ぎるとそれまで賑わっていた通りが嘘のように静まり返り、人っ子一人いなくなったものでした。
とてもじゃないけど外を歩く気にはなれませんでした。
それが今では、屋台で飯を食う人、トラックから荷物を運び出す人、のんびり涼んでいる人などたくさん人がいるじゃありませんか。
他の国では当たり前のことなのですが、カンボジアもとうとうそのような国になってきたということ。
嬉しいですね。


続きを読む



同じ宿の人とトゥクトゥクをチャーターしてシェムリアップの町から35kmほど離れた場所にある地雷博物館へ行きます。
ここはカンボジア人アキーラーさんによって建てられた博物館です。
カンボジアには内戦時代に数多くの地雷が埋められ、現在でも600万個以上のものがそのままになっており、全てを撤去するのに後100年以上もかかるとさえ言われています。
現在でも誤って地雷を踏み、手足を無くしている人がたくさんいます。
地雷は人を殺すものではなく、人を負傷させるものなのです。
戦地で兵士が怪我をすると、救助するために更に別の兵士が必要となり、結果として殺すよりも多くの兵力を減少させることができるからです。
そんな地雷の恐ろしさを知ってもらうためにアキーラーさんはこの博物館を造ったのです。
ここにはアキーラーさんが自分で処理した地雷や地雷で被害にあった人たちの写真などが展示されています。
博物館と呼ぶには小さすぎるような所で、あっという間に見終えてしまうのですが、その素朴さが逆に地雷の悲惨さをひしひしと感じさせてくれます。

アキーラーさんは5才の頃、ポルポト軍に両親を殺され、そのままポルポト軍に少年兵として育てられ、兵士として数多くの地雷を埋めたのです。
そして、カンボジアに平和が訪れた後、地雷で被害に遭う人が多いことに心を痛め、地雷撤去を自分の使命として生きているのです。
こんなすばらしいことをしているのに、個人で地雷の撤去を行うことは違法とされていたので援助も受けられず、博物館を造ったことにも様々な人々から迫害を受け、逮捕され牢獄に入れられたこともあるといいます。
それでも自分の信念を曲げず、地雷の被害をなくすために行動をしてきたのです。
なんともすばらしい人じゃありませんか。
そして、なんとこのアキーラーさん、僕とほぼ同じ歳じゃありませんか。
僕が小さい頃、宿題をするのが嫌だ、このおもちゃが欲しいと言っている時に、アキーラーさんは戦場を駆け巡り、僕がふらふらと旅をしている時には、地雷撤去のため全身全霊をささげ生きている。
平和な日本という国に生まれた自分の幸運を感謝するべきなのか、それとも、ちんたら生きている自分にカツを入れるべきなのか。

町へ戻るトゥクトゥクの中で、周りに広がる緑の田園風景を見ながらそんなことを考えたのでした。



歩いて街の中心部から少し離れたマーケットに行ってみます。
街の中心部にもマーケットはあるのですが、訪れる観光客が多いこともありぼってくることも多いのです。
しかし、今日訪れたマーケットは観光客は全くいない完全に地元民向けのものです。
果物の値段などを訊いてみても、あきらかに安いです。
白玉のような物が入ったスイーツを食べます。
この前中心部のマーケットで2000リアル(約55円)払ったものが、ここでは500リアル。
う~ん、いったいどれだけぼられていたんだ。
いろいろな店を覗きながら、マーケットの中を歩きます。
カンボジア人はみんな笑顔を見せてくれるので気持ちが良いです。
バイクタクシーやトゥクトゥクの客引きのおっちゃんでさえ、いらないよ~っと笑顔で答えると、そうかいらないか~っというような顔をして笑ってくれます。
いいですね、カンボジアの人たち。
食堂の前を通りかかると、お店のお姉ちゃんが僕に微笑みかけてくれます。
僕はさっきデザートを4杯食べたばかりなので、お腹はいっぱい。
でも、そこのお姉ちゃんは、はにかみながら嬉しそうに僕に笑顔を見せてくれます。
か、可愛い~。
思わず、注文してしまう僕。
男って単純な生き物なんです。



カンボジアは雨季の真っ只中です。
日本の梅雨のようにしとしとと一日中降り続けるということはないのですが、どんなに日中が晴れていたとしても夕方から夜にかけてほぼ100%と言ってもいいくらい雨が降ります。
ですからアンコールワットの遺跡の辺りで綺麗な夕日を見るということは今は難しいのです。
朝は雨はあまり降らないものの、雲が空を厚く覆っていて、アンコールワットの背後から上る朝日を拝むということも、これまた難しいのです。
実際、僕は15日に3日間有効の遺跡の入場券を買ったのですが、朝日、夕日共見ることができぬまま、あっさりと3日間という日は過ぎ去ってしまいました。

それなのに今日は朝から良い天気。
ドミトリーの同室の人は、今日、3日間チケットを購入し、初日にして綺麗な朝日を見たらしい。
まるで絵ハガキのように綺麗だったのよと嬉しそうに語る。
ふん、朝日なんてどこで見ても一緒じゃないか。
写真を見せてもらう。
うっ、た、確かに綺麗だ‥‥。
アンコールワット、幻想的すぎるぞ。
な、なんでなんだ~。
なんで僕は見れなかったんだ~。
日頃の行いのせいなのか!?
いや、そんなことはないはずだ!!
そんな問題ではないのだ。
そう、世の中そんなものなのだ。
正義が必ず勝つということではないのだ。
人生、そんなものなのだ~!!

そして、また、今日は、夕日が綺麗に見えそうだ‥‥。

↑このページのトップヘ