ふたたび旅(アフリカ編 たびタビ旅part2)

約2年4ヶ月の旅(http://zensin.jugem.jp/)からはや5年あまり。もう行かないはずだったのに、3回目の長い旅へ…。我が旅人生堂々の3部作完結アフリカ編!!…のはずです。

カテゴリ: スワジランド

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マプトを発って、次なる国スワジランドへ向かいます。ミニバス乗り場までは歩いて2、30分の場所なのですが、昨日の警察官の出来事があったので少しドキドキしながら歩いていきます。いったいなんで警察官なんかにびくびくしないといけないのだ。なんも悪いことをしてないってのに。

それでも一人の警察官に会うこともなく 無事ミニバス乗り場に着きました。ここでミニバスに乗り2時間ほどかけて国境へと向かいます。

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モザンビーク不審症になっている僕は、出国手続きでもなんかいちゃもんをつけられるのではと余計な心配をしましたが、何事もなくスタンプを押して終了となりました。

スワジランドはビザは必要ないのですが、なにも記入させられず、なにも訊かれずにスタンプをポンッと押されました。こんないい加減でいいのか?とこっちが心配になります。スタンプにはいつまで滞在できるかも書いてないし……。

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国境からはミニバスに乗りマンジニを経由してエズルウィニに向かいます。それほど距離はなく乗り換え時間を入れても3時間ほどで着いたのではないでしょうか。これくらいの移動だと楽ですね。

そして、スワジランドに入国して驚いたのは、ミニバスのきれいさです。今までの国々では日本の中古のハイエースがこれでもかというくらいボロボロになって使われいることがほとんどだったのですが、ここでは新車です。

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車内ももちろんきれいです。そして、冷静に考えれば当たり前なのですが、席は一人一席が与えられるのです。今までは3人の席に4人詰め込まれていたのが当たり前でしたからね。

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エズルウィニはスワジ王家の都です。スワジランドは王様がいて今でもかなりの権力を持っているのです。その割にはでっかい王宮とかもなく、普通の家もちらほらとしかない、山に囲まれた長閑な場所です。

そして、そんな場所にもかかわらず、ここにはかなり立派なショッピングモールもあります。なんかアメリカに来たような感じですね。もちろん腐った警察官もおらず、治安もそれ程悪くないようです。つくづく秩序のある国って落ち着くな~と実感するのでした。

 

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スワジランドは予想以上に発展している国でした。大きな建築物はほとんどないものの、街にはごちゃごちゃとした雑多な感じはなく、清潔感が溢れています。治安も大きな街では夜は危ない所はあるようですが、昼間歩く分ならかなり安全のように感じます。

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驚いたことは、スーパーでレジに行って会計をしようとしたら、レジ係のお姉ちゃんに「グッドモーニング サー」と挨拶されたことです。更に会計を終えた時には「サンキュー」とも言ってくれました。こんか経験は今までアフリカを旅してきてほとんどなかったような気がします。

また街を歩いていてもすれ違う時にハローと声をかけてきれくれることもあります。こっちがびっくりしてしまい、慌てて挨拶を返すくらいです。

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スワジランドの人はフレンドリーですが、今までもあったフレンドリーな国とは違い、変に馴れ馴れしいものではなく、節度を持った礼儀正しい感じがします。これは国民性なのか教育によるものなのかは分かりませんが、日本人の僕にとってかなり心地よいものであります。

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そんなかなりきちんとした先進国のような感じなので、旅としては少し刺激が足りないようにも思いますが、その分神経を使わずにのんびりリラックスできます。

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そんなスワジランドですが、ひとつ驚くべき数値があります。それはHIVの感染率が2011年の統計で成人(18~49)で31%にものぼるということです。特に30代においては、50%ほどにもなるようです。もちろんこれは世界でももっとも高い数値の国のうちのひとつです。そして、2002年の報告では、死因の61%がHIV/AIDSによるものらしいです。

街中を見渡してみて、データ上ではこの中の人々の3割もの人がHIVにかかっているのだと考えるとなにか信じられないような気持ちにもなります。そして、ある程度経済も発展して教育もそれなりに行き届いているような国で、なんでそんなことになるのか不思議な気もします。

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その原因としては一夫多妻制の風習が残っていたり、コンドームの使用やHIVの検査をすることを見下す、伝統的な文化的背景があるようなのです。

それにしても死因の半分以上を占めるというのに、ここまで拡大するのは理解できませんね。それほど風習、慣習というものが人間の行動を縛るものなのでしょうか。まあ身体に良くないと知りつつタバコを吸い続けたり、油まみれの肉を食いまくったり、酒を浴びるほど飲んだりするのは世界のどこにでもあることですから、そのような快楽を伴った行動ってものはなかなか改善できないものなのですかね。

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首都であるムババーネの北西8キロの場所にあるシベベロックに行ってみることにします。シベベロックはエアーズロックに次ぐ世界で2番目に大きな一枚岩らしいのです。紙幣にも描かれているし、ビールの銘柄の名前にもなっているスワジランドの象徴のような山です。

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エズルウィニからミニバスで30分かけてムババーネに行き、そこで乗り換えて更に2、30分ほどかけてシベベロックの登山道の入口まで行きます。ドライバーに入口で降ろしてもらえるように伝えていたのですが、右手にそれらしき山が見えてもなかなか降ろしてくれないので大丈夫かなと少し心配しましたが、入口はシベベロックをぐるっと回ったかなり奥にありました。

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さてさてそれでは登りはじめましょうか。しかし、看板の類のものは全くありません。とりあえず自動車の轍にそって歩いていってみます。あっているかどうかかなり不安です。道を確認しようにも地元の人もいませんし、旅行者の姿も全く見えません。

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ずっと左から右に山を巻くように歩いて上がっていきます。後少しで登りきるという手前で、やっと頭に荷物の載せたおばちゃんに追いつきます。そして、シベベロック?と訊くと、右へ行けと教えてくれました。どうやら道は正しかったようです。これで違っていたらかなりショックでしたけど。

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シベベロックのてっぺんは緑の草が生い茂っています。

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青い空も気持ち良い。実は今の時期はスワジランドは雨季なのです。なのでスワジランドに来る前は天気がかなり心配だったのですが、今日はかなり良い天気です。これも僕の日頃の行いの良さのおかげ……ですよね?

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こういう緑の草原と青い空を見ると、「未来少年コナン」を思い出すのは僕だけでしょうか。若い人たちはコナンも知らないかな?ちなみに探偵じゃないよ。

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牛が放牧されています。こんなところで育てられるなんて牛も気持ち良いでしょうね。

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酪農家のものらしき家も見えます。

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しかし、相変わらず人がいない。地元の人もいないし、旅行者の姿も全く見えないのです。そして、相変わらず看板や道標のようなものは一切ない。なので本当にここがシベベロックなのか不安になります。そして、どこに向かって歩けばいいのかもよく分かりません。なので矢印が見えた時はちょっと嬉しい。いったいどこに向かう矢印か分かりませんが、その方向に向かって歩いて行きます。

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奥の方に小高い山が二つあり、そこに道が続いているようなので、そちらに向かって歩いていきます。

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端っこの方までたどり着き下を見ると確かに大きな岩であるということが分かります。どうやら僕は本当にシベベロックの上を歩いていたんですね。やっと安心しました。

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道はなかったのですが、小高い山をよじ登るようにして登ってみます。やっぱりせっかくなら天辺に立ってみたい。なんやらと煙は高いところが好き……ではないですよ。

う~んいい景色だ!!そして、僕がこの全ての景色を独り占めだ~!!往復して4時間弱ほどでしたが、天気も良く久しぶりの登山というよりハイキングは充実したものでした。僕はやはり海より山が好きなのかな。


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下ってムババーネ行のミニバスの出発を待っていると、 子供たちに会いました。スワジランドの女の子たちも丸刈りが多いですよね。日本だったら女の子が丸刈りするとかなり変に感じると思うのですが、アフリカではなんの違和感もありませんね。

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男の子ももちろん丸刈りです。というかアフリカでは男性はほぼ全員といってもいいくらい丸坊主でありますが。

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そして、民族衣装のような服を着た男の子たち。こんな服を着ているのはこの二人だけでいったいなんでそんな恰好をしているのか分かりませんでしたが。 


それにしても、シベベロック、けっこう良いところだと思うのですが、なんでこんなに人がいないんでしょうかね~。

 

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エズルウィニには4泊したのですが、宿でのんびりネットしたり、ショッピングモールで映画を観たりと観光らしいことはしていなかったので、最終日にして重い腰をあげ街歩きにでかけます。

まず向かったは「スワジ文化村」という所です。ここでは伝統的なダンスを見ることができるようなのです。地図をたよりにテクテクと歩いていきますが、それらしい場所が見つかりません。というか幹線道路沿いにも建物がほとんどありません。

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そして、迷いつつさらにテクテクと歩いていると、本日の第二目的地である国立博物館を見つけてしまいました。今日は、この博物館か文化村どちらかを見ようかと考えていたのです。どちらかというとスワジ文化村の方を見たかったのですが、博物館にたどり着いてしまったので、こちらを見ることにします。入場料は80E(約880円)。ちょっと高い気もしますが、やはり一つくらい観光しておかなければという義務感で入ることにします。

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入館して右の入り口に入ると伝統的なスワジ族の男たちの模型がたっています。ふむふむ。

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その隣の部屋には女性たちの模型が。その周りの壁にはスワジランドの近代の歴史がパネルで説明されております。ふむふむ。

さて、お次は……っと思ったら、これで終わり。


そんなことはないだろうと思いまた入口に戻ると、建物を入って左側にも展示室はあるようです。そうそう国立と名前がつくくらいですからこんなんで終わりなんてあるはずがない。

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入った部屋には動物たちの模型が置かれていました。これはスワジランドに住む動物たちなのかな。ふむふむ。

えっとお次は……。



終わり……!?

まさか900円もとってこれはないでしょう~と思い他に部屋がないか探してみますが、ありません。全くありません。なんもありません。

ひどい、ひどい、酷過ぎる。ナショナルミュージアムがこんなんであっていいのでしょうか。よくないです!!こんなもん100円くらいの価値しかありません。いや、無料でもいいくらいです。

ほんとがっくりです。こんなことならスワジ文化村に行っておけば……。

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怒りと落胆の気持ちでとぼとぼと宿に向かって歩いていると、行きしには見つけることができなかったスワジ文化村の看板を見つけました。なのでせっかくなので行ってみることにします。30分くらい歩くとたどり着きました。

どうしようか、見ようか。さっきの博物館だけで終わってもかなり気分が悪い。ここはダンスを見て先ほどのイヤな気持ちを忘れるべきではないか。値段を訊くと100E(約1100円)。ちょっと高いけど払えないことはない。

見てみようかとダンスショウの開始時間を訊きます。開始は……3時。今は12時過ぎ。なんてこったい3時間ほどもあります。受付のおねえちゃんは11時にもショウがあったのですがと申し訳なさそうに言ってきます。3時間も待てません。


と、いうことで、結局エズルゥイニではしょぼい博物館だけを見ただけでした。4泊もしたのに……。




おまけ。

いつも旅した国でどんなもん食ったのかということを紹介しているのですが、ここスワジランドでは特筆すべきことは全くないのです。そもそも屋台や安食堂のようなものがなく、毎日近くのスーパーで買い物して、自炊したり、惣菜を買ったりして食べてました。だからスワジランドはこれだ!!っていうものは全くありません。

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とりあえずケンタッキーがあったので食べました。ほんとイギリスの食文化って困ったもんです……。



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スワジランドを発ち、次なる国南アフリカに向かいます。首都であるヨハネスブルグへの直通のミニバスがマンジーニからあります。前もって出発時間を訊いていたのですが、7時半頃と言われたのでその時間に行くと実際出発したのは10時くらいでした。そんな気はしていたのですが、乗り遅れるよりはましですからね。

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国境には1時間あまりでしょうか、あっという間に着きました。ここでは心配なことが一つありました。それは南アフリカはビザ無しで入国できるのですが、昔は無条件に90日間の滞在許可をもらえていたのですが、今年になってからそれが若干厳しくなり1ヶ月とか悪くすると1週間しかもらえないこともあるようなのです。この後の旅の日程を考えればここは是非とも3ヶ月の滞在許可を欲しいところなのです。

さてさてどうなることやらです。と言っても僕にできることはいつくらいまで滞在したいということを述べて、必殺の爽やかな笑顔を見せることくらいなのですが。

係員はおばちゃんでした。はたしてどうなるのか!?

そんな僕の心配をよそにあっさり90日の滞在許可をもらえたのでした。とりあえずほっとしました。僕の笑顔が効いたってことにしときましょうか。

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南アフリカもさすがワールドカップを開催した国だけあって道路もきちんと整備されています。

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途中で休憩したドライブインみたいなところもなかなかきれいです。

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その横には水牛とサイが飼われていました。サファリを何回かしましたが、サイは近くで見てなかったんのでちょっと嬉しい。今回は行く予定はないのですが、南アフリカにも有名なサファリをする場所があります。

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ずっと草原のような中を走ってきましたが、ちらほらと家も見えてきました。そろそろヨハネスブルグに到着するようです。緊張してきます。というのも、ヨハネスブルグはアフリカ3大治安の悪い都市にもあげられるようにかなり危険な場所なのです。噂による白昼にもかかわらず通りで襲われることがあるといいます……。こえ~!!しかし、街中にバスパークというバスやタクシーなどが集まるターミナルがあるのですが、その中はとりあえず安全だといいます。なのでそこに着いたらそこですぐタクシーに乗り換え宿に向かうつもりです。タクシーなんて高い物は普段は絶対に使わないのですが、ここでは必要悪経費として割り切って乗ることにします。これで完璧だ!君子危うきに寄らずです!!

が、いきなり計画が崩れます。なんと僕が乗っているミニバスはバスパークに入らず近くで僕を降ろすようです。勘弁して欲しいです。でもほんの近くなので大丈夫と信じましょう。

そして、バスはヨハネスブルグに着き、僕はバスから降り立ちます。ドキドキです。しかし、嬉しいことに一緒にバスに乗ってきたスワジランド人のおばちゃんが僕のことを心配してくれて、助けてくれたのです。そのおばちゃんは近くにいた二人組の警察官に声をかけてくれて僕をバスパークに連れて行ってくれるように頼んでくれたのです。おばちゃん、ありがとう!ほんとスワジランド人は親切です。

わすが200mくらいの距離でしたが、警察官が護衛について歩いてくれるほど心強いことはありません。無事バスパークの中のタクシー乗り場まで連れていってもらいました。最後にちょっとチップを軽くねだられましたが、そんなことは気にしません。警察官たちもありがとうね~。

そして、びびってヨハネスブルグの街中の写真を撮れなかったことをここにお詫び申し上げます。

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120R(約1300円)もの大金を払いタクシーに乗り、郊外にある目星をつけていた宿「Brown Sugar」に到着しました。これで一安心です。僕は今日と言う日々を無事生き延びたのでした。良かった……。


「フル」

そんな僕の安堵の気持ちもこの一言であっさり振り出しに戻ったのでした。なんと宿は満室だったのです。ここまで来てそれはないよ~。なんとか泊めて~と僕の爽やか笑顔をここでも駆使して頼みますが、受付は残念ながら女の子ではなく男でした。あっさりダメなものはダメと断られます。

がっくりきますが、近くの別の宿を紹介してくれます。とりあえず泊まる宿を確保できたのは良かったのですが、またタクシー代として100Rもかかります。ほんとイヤになってきます。

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そして、たどり着いた宿。今度こそ泊まることができます。今度こそほっとしていいですね?

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郊外はそれほど危険ではないということで夕食を食べる店を探しつつちょっと散歩してみました。なかなか綺麗な街並みです。

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街に射す夕日が綺麗です。いつも以上に美しく感じたのは気のせいではありますまい。

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