プーノを後にして、ボリビア、コパカバーナへ向かいます。
プーノからボリビアに行くには、二つの国境があります。
その南側にある方は、そこにいる警察官が腐りきっていて、旅行者を呼び止めては荷物検査と称し金品をチェックして、その隙にいくらかのお金を抜き取るということが行われていると悪名高い。
そんな所には寄りたくないのでもちろん北の方の国境を通ります。
そして、念には念を入れてツーリストの多いコパカバーナまでの直通バスで向かいます。
バスは、3時間ほど走って国境に到着。
他の大勢のツーリストと共にバスを降ります。
まずは警察官のいる建物へ。
何故かそこで入国カードにスタンプを貰わないといけないのです。
スタンプを待つ人の列に並びます。
スタンプを押してもらうと、その建物を出て向かいにあるイミグレに行きます。
係官は機械的にスタンプを押し続け、みんな次々にイミグレに向かいます。
僕の番が来たので、パスポートと入国カードを手渡します。
係官はやっぱりあっさりとスタンプを押してくれます。
そして、イミグレに向かおうとすると、何故だかパスポートを返してくれません。
奥の部屋へ行けと言う。
どういうことだ?
少し不安になりその部屋に入ると、そこには二人の年配と若い警察官。
その二人は、僕に荷物を全て机の上に出せと言う。
なんでだ?と訊くと、マリファナなどを持ってないか調べると言う。
仕方ないのでウェストポーチを外し、机の上に置く。
若い方のやつがチャックを開け、ワザとらしく匂いを嗅いだりする。
そして、そこから財布を出す。
僕は、お金を抜き取られてはならぬと、じっと彼を凝視続ける。
結局、財布は開けられることなく元に戻されます。
腹にマネーベルトなど持ってないのかと訊かれますが、いい加減腹が立っていたので言葉が分からない振りをして無視します。
そうするともう行っていいとパスポートを返してくれました。
その部屋を出ると相変わらずスタンプを貰う長い列がありましたが、みんな押してもらうとあっさりとイミグレに向かっていました。
みんな白人のツーリストです。
僕の他に奥の部屋に連れて行かれた人は、中国系と思われる女の子。
そうです、アジア系の人間だけを荷物チェックと称して金を巻き上げようとするのです。
荷物をチェックされたという事実よりも、東洋人だけそのようなことをされる事にムカムカとします。
アジアには賄賂の文化が蔓延っているのであるので金を巻き上げやすいのか。
また、欧米人よりも強く自己主張をすることがないので相手をしやすいと考えているのか。
それとも、単にアジア人を見下しているのか。
なんにしてもムカつきます。
いつの日かそんな彼らに天罰が下ることを祈るのみです。
自分ではどうすることもできない無力感を感じます。
それにしても、日系のフジモリ氏が大統領になったくらいの国なのになぁ。
ボリビアはなんのトラブルもなく無事通過。
いい感じじゃないですか。
再びバスに乗り込むと30分ほどでコパカバーナの町に到着。
ここもチチカカ湖の畔にあるツーリストの多い所ですが、ATMさえない小さな町。
町からは湖を見渡すことができ、のんびりできそうなかなか良さそうな場所です。
しばらく歩き回り、宿を探します。
そして、見つけた宿は、シングルルームでなんと15ボリバール(約250円)!!
もうちょっと払ってもいいのにとさえ思ってしまします。
そう、ボリビアは南米一の物価の安い国。
安い、って素晴らしい。
楽しい旅になりそうです。